木材の硬さについて


土足で木質の床を使う場合、傷つかない?どのくらい長持ちするのかは気になるところだと思います。

しかしながら、「傷つかない」という事だけでも、たとえば「物を落として傷がつかない」のか、「靴底で擦れても傷つかない」のかは、それぞれ異なる耐衝撃、耐摩耗という別の「傷がつかない」といえます。

ここでは「ヤンカ硬さ」「ブリネル硬さ」という指標を解説します。これは「ハイヒールで立っててへこまないか?」という指標といえます。

どちらも「鉄の玉をおもいっきり木材にめり込ませて、鉄の球が〇〇ミリめり込んだときの力をはかる」というもので、値が大きければ大きいほど硬いということです。

図で表す下記の要領で鉄球を押し付けます。

Nasa-verve at English Wikipedia, CC BY 3.0, Link

※ 参考

ヤンカ : 0.444インチの鉄球が半分めり込む荷重

ブリネル : 直径10㎜の鋼球を深さ0.32㎜までめり込ませ、そのときの荷重を接触面積で割ったもの


 ヤンカ/ブリネル硬さは指標にできるのか?

ヤンカ硬さは欧米で木材の丈夫さの指標とされており、英語で[janka hardness]と検索すると資料がたくさん出てきます。

こんな硬さの比較チャートまであります。

加えてヤンカ硬さは、アメリカ農省NSDAがWood Handbookという資料を惜しみなくネットで全文公開してくれてるんで、それでも調べることができます。

アメリカではレッドオークのヤンカ硬さ、1290(ポンド)以上が、丈夫な床材[ハードウッド]として指標になっているようです。これも[red oak janka hardness industry benchmark]と、検索するとでてきますので、調べてみてください。

次にブリネル硬さは日本のJIS Z2101:2009で測定方法が規定されていますが、樹種別のデータがあまり多く公開されていません。

手に入りやすい資料だと「木材工業ハンドブック」だと思います。


2020年現在いえることは
・ 木材の硬さにはヤンカ硬さとブリネル硬さがある
・ レッドオークよりヤンカ硬さが高い木材は、土足床として良いと言う説がある

というところぐらいです。弊社でも[レッドオークのヤンカ硬さ:1290lb]を基準とし、土足でもあまりへこまない品として話をしています。

注意点としては

・ 硬いからと言って傷つかないわけじゃない

・ 無塗装で土足使用すると水染みや汚れなどがつく

などもあわせて説明しています。


おまけ

レッドオークよりヤンカ硬さが高い木材は、土足床として良いと言う説があるけど本当なのか?という疑問がずっとあったので、簡単に実験をしてみました。

ナラフローリング土足使用試験